ヘアカラーする前に

パッチテストってご存知ですか?

本来ヘアカラーをする前に、そのカラー剤がお客様の頭皮にあうかあわないかパッチテストをしなくてはなりません

これは、薬食安発第1226001号で義務付けられています

(薬食安発とは薬事法を扱う上での細かい取り決めです)

では、なぜ美容室でパッチテストをしている方が少ないか? パッチテスト自体のことについてもあんまり知られていないか?

「パッチテストは48時間、時間をおいて反応を見なければならない」

ここが、なかなか美容室でパッチテストが行われていない最大の理由だと思います 48時間おくということは予約をいただいてご来店してもらっても、その日のうちにヘアカラーはできない!ということになります

しかし、最近「アレルギー」という言葉をよく耳にするようになりましたし、私たちの日常でも周りにアレルギーを持った人を多く見かけます 花粉症もその一つですよね 幸いに私はまだ花粉症にはなっていませんが、妻と娘は花粉症です 花粉症ではない私も実はアレルギーが過去に反応したことはありますし、春先は必ず乾燥が原因だと自分で思っているのですが、肌は荒れてしまします

花粉症の方の人数は年々確実に増えてきていますよね?私が子供頃は花粉症なんてなかったように思います そして、よく言われるのが、誰がいつ花粉症になってもおかしくない なりうると言われます 松本さんも今年花粉症デビューするかもよ!っていわれます

そこで最近思うのです 最近ネットニュースなどで目にすることが多くなったヘアカラーによるトラブル・・・これがもし、花粉症のように年々増えていったら・・・・いつ誰がなってもおかしくなくなる状況になったら・・・それは、遠い未来の事ではなく 近い将来、いやもう現実にそうなっているかもしれない いつ誰が発症してもおかしくない・・・・

ここ最近美容師業界でも、「パッチテストやヘアカラーによるかぶれ」のセミナーが多くなってきています 私もいくつかのセミナーに参加してみました

そこで、私の心を打ったのが、先ほどの花粉症の話に近いのですが、

「ヘアカラーかぶれを5年後に発症する人を、美容師さんの力で10年後にできるかもしれない 逆をいうと本当は10年以上ヘアカラーができたのに、無神経な美容師さんのせいで、あと5年になってしまった」

花粉症が誰がいつなってもおかしくなくなった今、ヘアカラーも・・・・・・と思った時に

私は、パッチテストやヘアカラーかぶれに対して真摯に向き合おうと思いました

皮膚炎の種類

皮膚炎にもいろいろありますが、私たち美容室での施術に関りが深そうな皮膚炎は接触性皮膚炎

接触性皮膚炎とは、湿疹の一つで肌に接触することによって、接触した部分が紅斑(赤いブツブツ)や丘疹(皮膚の盛り上がり)、水疱(中に水をもった湿疹)など湿疹を生じる疾患です かぶれとも呼ばれ、かゆみや痛みを伴う場合もあり 接触した部分とそうでない部分にはっきりと境界が見れるのが特徴です

接触性皮膚炎は、「アレルギー性皮膚炎」「刺激性皮膚炎」に分類することもできます

アレルギー性接触皮膚炎(遅延型アレルギー)

皮膚炎の原因物質(アレルゲン)と接触することによって皮膚の炎症細胞が活発に働き湿疹を誘発

○症状

かゆみ、発赤、水疱、痛み等

一度発症していまうと、治ったとおもっても再び原因物質(アレルゲン)と接触すればまたアレルギーがでてくる

(アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎は症状が似ているので、症状でどちらか判断するのは難しい)

○発症初期

かゆみ

○症状の重篤度

★軽い場合は、わずかなかゆみや痛みを感じたり、皮膚に赤みが生じる程度

★原因物質(アレルゲン)との接触をつづけると、だんだん接触した所を超えて症状が広がって重くなる

★日常生活に支障がでるほど重篤な症状が現れ得る

○症状の発見

原因物質(アレルゲン)の接触から炎症が現れるまで時間がかかるので刺激性皮膚炎より発見が遅く、翌日以降に症状が現れることが多い そのため、症状と原因の関係がわかりにくく、症状が現れてもヘアカラーが原因と気が付かないまま長年症状に苦しむ場合もある

○原因

何らかの物質が原因物質(アレルゲン)となり、接触してアレルギー反応が起きて皮膚炎の症状が現れる 一度アレルギー反応がでてしまうと一旦治っても、再び原因物質(アレルゲン)と接触すれば再発する あるところが調査したとこりによると化粧品類の中で最も多かったのは酸化染毛剤で、その主成分である酸化染料(ジアミンなど)はアレルギーを引き起こしやすい

○再発防止

症状が軽いうちにアレルギーかもしれないことに目を向け、原因物質(アレルゲン)と考えるられるものの使用をやめる必要がある

刺激性接触皮膚炎(非アレルギー)

皮膚炎の原因物質(アレルゲン)と接触するこによって皮膚の炎症を誘発
アレルギーとは無関係なので誰でも起こり得る

○症状

傷み、かゆみ、発赤、水疱、腫れ等

傷みを感じることが多いと言われている

アレルギー接触皮膚炎に比べて比較的早く症状が現れるのが特徴

(アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎は症状が似ているので、症状でどちらか判断するのは難しい)

○原因

皮膚が石鹸、漂白剤、塗料等の製品に含まれる刺激物質により化学的刺激を受けたり、摩擦等により機械的刺激を受けたりしたときに炎症が生じる 症状が現れるかどうか?皮膚の状態が大きく左右するため、一度その物質でなっても、次はならないこともある

ヘアカラー剤には、過酸化水素、アンモニア水、アルコール類等、刺激性がある成分が含まれていることが多く、染毛剤、染毛料関係なく刺激性接触皮膚炎になる可能性はある

○再発防止

ヘアカラーする前に頭皮の状態を確認することと、より刺激の少ないカラー剤を使用する

ジアミンってなに?

ジアミンって言葉聞いたことがありますか? もし聞いたことがあるとしたら美容師さんか、過去にヘアカラーで皮膚トラブルがあった方ではないでしょうか?

そうなんです!このジアミンというのがカラー剤に含まれていて、かぶれなどの主原因なのです

みなさんがしっているカラー剤というのは1剤と2剤があって、それを混ぜてから髪の毛に塗布しますよね?この1剤と2剤を混ぜるカラー剤には、ほとんどがこのジアミンというのが入っています

ジアミンの中でも、ジアミンアレルギーを起こしやすいジアミンは

★パラフェニレンジアミン

★パラアミノフェノール

★ 硫酸トルエン2,5-ジアミン

の3つです

中でも、パラフェニレンジアミンは最も強い原因物質(アレルゲン)となりますが、日本人の黒髪を操作するにはもってこいで、白髪を染めるにも最も適した染毛剤です 従って日本人のヘアカラー剤には多用されているんですね

それを知ってしまうとますます、このままでいいのしょうか?と思ってしまいます

ですが、ヘアカラーの技術の日々進歩していて、ジアミンを使わずヘアカラーする研究が進んでいます

今後、方法はどんどん出てくると思います 私の中でもいくつかあります ですからパッチテストにご来店の時に、1~3パターンはテストしたいと思っています

パッチテストの手順

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ヘアカラートラブルに対するKUNの取り組み

その1.道具の見直し

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☆ヘアカラーの時に使用するカップをプラスティックからガラスの容器に変えました ブラスティックだと容器にカラー剤が付着してしまい、その容器自体にジアミンも常に付着していることになるので、ガラスの容器だと付着することはないのでガラスの容器を使用
ジアミンで反応してしまう人は、ジアミンの量に関係なく少量でも反応してしまいます

☆刷毛を新しくし、ヘアカラーが付着している刷毛を使用しない 刷毛にヘアカラーが付着しているということは刷毛にジアミンが付着しているということ それと新しい刷毛を使用する前に頭皮を傷つけたり、髪の毛をひっかりたりしないために紙やすりでサンディングしてから使用しています

☆耳キャップの使いまわしを止めて、お客様一人一人に新品の耳キャップを使用することにしました 耳周りって弱そうですし、反応もでやすいそうなところですものね

その2 施術の仕方

☆ヘアカラー剤を準備してお客様に施術する前に、用意したヘアカラー剤を3分混ぜてから施術します ジアミンだけではなくアルカリで反応する人もいるので、3分混ぜていらないアルカリを飛ばしてからヘアカラーを施術していきます

☆必要でないところには、頭皮にヘアカラーを極力つけない!これは、技術的に訓練も必要で今2人で取り組んでいます

その3 ヘアカラー薬剤の選定

そのお客様の頭皮の状態や髪の毛の状態にあわせて、いろいろなヘアカラー剤を用意しました
メインはサプリカラーです
☆サプリカラー お客様の頭皮の状態にあわせてパワーや色味を調節できます 普通のヘアカラー剤に比べて頭皮にも優しいですし、髪の毛にも負担が少ないですし、褪色も少ないです 必要以上に髪の毛をダメージさせずにヘアカラーができます ノンジアミンに調節することも可能です

☆香草カラー これはまだまだ研究中ですが、ヘナよりはいいと思っています ヘナはヘナだけだとまあまあ安心なのですがオレンジにしかなりません ヘナでオレンジ以外の色が出せるのはインディゴが入っているからです このインディゴが怪しい! なのでKUNではヘナは現在ほとんどしていません 香草カラーはノンジアミンではありませんが、いろいろできそうなので、おいおい取り入れていこうとおもっています

このように、頭皮や髪の毛にいいものがでてきたら随時検証していきたいと思っています

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